安全運転管理者制度

1 安全運転管理者制度とは

 安全運転管理者制度とは、事業所における安全運転を確保するための制度です。
 車両等の使用者は、業務で使用する車両を点検・整備したり、運転手が安全に運転できるように運行計画を立てたり、運転手に対して色々と指示したり…と、事故が起きないよう、また事故を起こさないように努めなければなりません。
 しかし、車両や運転手が多ければ、そのすべてを一人で行うことは不可能です。
 そこで、使用者に代わり具体的にチェックを行う者として、「安全運転管理者」を選任させることとしているのです。


2 自動車の使用者の義務

 自動車の使用者は、その使用する自動車が規定の台数以上の場合、その使用の本拠ごとに安全運転管理者及び副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任しなければなりません。また、選任したときは15日以内に公安委員会へ届け出なければなりません。
 選任及び届出を怠ると処罰されることがあります。

自動車の使用者とは その自動車を使用する権限を有し、かつその自動車の運行を直接管理する者をいいます。具体的にいえば、事業所の代表者や営業所の所長などがこれにあたります。

【道路交通法第74条の3第1項】安全運転管理者の選任義務

 自動車の使用者は、安全運転に必要な業務を行わせるため、規定の台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、安全運転管理者を選任しなければならない。
【選任しなかった場合】50万円以下の罰金〔法人等両罰有〕


【道路交通法第74条の3第4項】副安全運転管理者の選任義務

 自動車の使用者は、安全運転管理者の業務を補助させるため、規定の台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、副安全運転管理者を選任しなければならない。
【選任しなかった場合】50万円以下の罰金〔法人等両罰有〕


【道路交通法第74条の3第5項】選任、解任届出義務

 自動車の使用者は、安全運転管理者または副安全運転管理者を選任したときは、選任した日から15日以内に、所定の事項を自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。
 これを解任したときも同様とする。
【届出しなかった場合】5万円以下の罰金〔法人等両罰有〕

※ 法人等両罰とは…会社等の法人にも責任がある場合は、その法人にも刑罰が科せられる。


3 安全運転管理者等の選任を必要とする自動車の台数

 1. 安全運転管理者

  • 乗車定員11人以上の自動車を使用している場合…1台以上


  • その他の自動車を使用している場合…5台以上


  • 台数を計算する場合、大型自動二輪車または普通自動二輪車はそれぞれ0.5台として計算するものとする。以下副安全運転管理者を選任する場合にも同じ。
  • 総排気量が50CC未満の一種原付は含まない。

軽自動車が4台と400ccのバイクが4台ある場合の計算式

 2. 副安全運転管理者

  • (車種、乗車定員関係なく)すべての自動車を使用している場合…20台以上
  • 以降20台増加するごとに、副安全運転管理者を選任するものとする。
  • 台数を計算する場合、大型自動二輪車または普通自動二輪車はそれぞれ0.5台として計算するものとする。
  • 総排気量が50CC未満の一種原付は含まない。

トラックが12台と軽自動車が9台ある場合の計算式

 4 安全運転管理者等の選任要件


◎ 安全運転管理者


  • 20歳以上の者(※)
  • 2年以上の運転管理の実務経験を有する者
  • 過去2年以内に公安委員会の解任命令を受けたことのない者
  • 過去2年以内に次の違反行為をしたことのない者
  ・ ひき逃げ       

  ・ 酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転、無免許運転、妨害運転
  ・ 酒酔い運転や酒気帯び運転に対し車両や酒類を提供する行為
  ・ 酒酔い運転や酒気帯び運転の車両に依頼・要求して同乗する行為
  ・ 酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許運転、無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、放置駐車違反の下命・容認
  ・ 自動車使用制限命令違反

(※)ただし、副安全運転管理者を選任する事業所にあっては、30歳以上の者



◎ 副安全運転管理者

  • 20歳以上の者
  • 1年以上の運転管理実務経験を有する者か、3年以上の運転経験を有する者
  • 過去2年以内に公安委員会の解任命令を受けたことのない者
  • 過去2年以内に一定の違反行為をしたことのない者(※)

(※)一定の違反行為とは、安全運転管理者の場合と同じ


5 安全運転管理者等の届出手続



 安全運転管理者等を選任したときや、届出事項に変更が生じたときは、事業所を管轄する警察署を通じて、公安委員会に届け出なければなりません。
 届出手続に際し必要な書類は、次表のとおりです。これらの書類をすべて揃えて、事業所を管轄する警察署の交通課に提出してください。
※書類が不足している場合受付できません。
FAXや郵送では受付できません。
※令和4年1月4日から、「ふくおか電子申請サービス」を利用してのオンライン申請が可能となりました。

安全運転管理者等の届出手続に際する必要書類
 項目 安全運転管理者等に
関する届出書
 新管理者の住民票
(3ヶ月以内発行)
運転記録証明書
(1ヶ月以内発行)
安全運転管理者等を選任する場合◯(必要)◯(必要)◯(必要)
安全運転管理者等を交代する場合◯(必要)◯(必要)◯(必要)
届出事項(代表者名等)を変更する場合◯(必要)✕(不要)✕(不要)
安全運転管理者等を解任する場合◯(必要)✕(不要)✕(不要)

安全運転管理者等に関する届出書は、こちらからダウンロードするか、警察署の交通課窓口で入手してください。

 安全運転管理者等に関する届出書 (147kbyte)pdf ☚ 届出書のダウンロードはこちら


安全運転管理者等に関する届出書の記載要領は、こちらを参考にしてください。

【記載例】
【注意事項】
  • 住民票(3ヶ月以内に発行のもの)は、新しく安全運転管理者等になる方のものを提出してください。
  • 住民票は、氏名、生年月日、住所が記載されたもので結構です。(本籍地や家族についての記載は不要)
  • 県外に住民票がある方は、住民票と併せて、会社作成の「居住証明書」(様式不問)を提出してください。
  • 運転記録証明書は、自動車安全運転センターが発行するもので、過去の違反歴や事故歴を証明するものです。提出の際は、過去3年間のものを準備してください。詳しい取得方法については、こちら(自動車安全運転センターホームページ)をご覧下さい。

6 安全運転管理者等の業務

 安全運転管理者は、その管理下の運転者に対して、国家公安委員会が作成・公表する「交通安全教育指針」に従った安全運転教育や、内閣府令で定める安全運転管理業務を行わなければなりません。

【内閣府令で定める安全運転管理業務】

  1. 運転者の状況把握
  2. 安全運転確保のための運行計画の作成
  3. 長距離、夜間運転時の交替要員の配置
  4. 異常気象時の安全確保の措置
  5. 点呼等による安全運転の指示
  6. 酒気帯びの有無の確認
  7. 酒気帯びの有無の確認内容の記録・保存
  8. 運転日誌の記録
  9. 運転者に対する指導
 ・自動車の使用者の義務 (255kbyte)pdf
 ・内閣府令で定める安全運転管理業務 (92kbyte)pdf 

※安全運転管理者の業務拡充について
 道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令が公布され、令和4年4月1日から安全運転管理者の業務が拡充されました。
 アルコール検知器の使用に係る規定については令和5年12月1日から義務化されます。
  ・安全運転管理者へのお知らせ~アルコール検知器の使用が義務化!~  (607kbyte)pdf
 安全運転管理者の業務拡充に関する疑問点については、Q&Aを確認してください。
  ・安全運転管理者の業務拡充の基本Q&A (更新中です。しばらくお待ちください。) 
  ・酒気帯び確認表様式例 (357kbyte)pdf 
   

7 安全運転管理者等講習について

 公安委員会は、安全運転管理者等に安全運転に必要な知識等を習得させるため、法定講習(安全運転管理者等講習)を実施しています。
 自動車の使用者は、公安委員会から講習の通知を受けた際、選任している安全運転管理者等に、その講習を受講させる義務があります。
 安全運転管理者等講習は、毎年県内各地で実施しております。
 詳しい日程は、こちら(福岡県交通安全協会ホームページ)をご覧下さい。

※この講習は、既に選任されている安全運転管理者等に対する講習です。安全運転管理者等になるために受講する講習ではありませんのでご注意下さい。



8 安全運転管理者選任事業所について


 安全運転管理者選任事業所一覧(令和5年6月末)pdf  


お問合せ先

部署: 福岡県警察本部 交通企画課
電話番号: 092-641-4141
 

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